「インフルエンザの予防接種、そろそろ予約しなきゃ」と思ったとき、いちばん引っかかるのが「いつから受けられるのか」と「いくらかかるのか」がハッキリしないことです。調べてみたら、開始日も終了日も自己負担額も、全国一律ではありませんでした。この記事では、2026年度(令和8年度)の予防接種について、国と自治体が公表している資料だけを並べて整理します。

会社で「インフルの予防接種もう予約した?」って聞かれたんだけど、まだ8月だよね。早すぎない?

気が早いように見えて、そうでもないのよ。自治体の定期接種は10月1日スタートのところが多いから、9月には予約の話が動き出すの。
この記事の結論
- 高齢者の定期接種は「2026年10月1日開始」にしている自治体が多い。ただし全国共通の日付ではない
- 終了日が違う。八王子市は2027年1月31日まで、前橋市は2026年12月31日まで
- 自己負担額も違う。八王子市2,500円、前橋市1,500円で1,000円の差
- 定期接種の対象は65歳以上と、60〜64歳で心臓・腎臓・呼吸器・免疫の機能に重い障害がある人だけ
- それ以外の年代は任意接種。公費助成が入らないので金額は医療機関ごとに違う
- 2026/27シーズンの製造株はA型2つ・B型1つの計3種類が決まっている
- 動くなら9月のうち。10月に入ってからだと予約枠が一気に混む
【前提】「10月1日から」という日付は、どこから来ているのか
厚生労働省は季節性インフルエンザのワクチンについて、「インフルエンザワクチン(季節性)」のページで「毎年度、秋冬に1回の接種を行います」と説明しています。国が示しているのはここまでで、具体的な日付までは決めていません。
この「秋冬」を実際のカレンダーに落とし込むのは、各市区町村の仕事です。多くの自治体が10月1日を初日に置いているのは、ワクチンの出荷が9月下旬から本格化するためですが、10月1日は法律で決まった全国共通の日ではありません。あくまで自治体が定めた実施期間の初日です。
【重要】期間も金額も違う|八王子市と前橋市を並べてみた
| 項目 | 東京都八王子市 | 群馬県前橋市 |
|---|---|---|
| 実施期間 | 2026年10月1日〜2027年1月31日 | 2026年10月1日〜2026年12月31日 |
| 自己負担額 | 2,500円 | 1,500円 |
| 助成の回数 | 期間内1回のみ | 1人1回のみ |
| 無料になる人 | 生活保護受給者、中国残留邦人等支援給付受給者(証明書の事前提出が必要) | 生活保護世帯、中国残留邦人等支援給付受給世帯 |
| 対象年齢 | 接種当日に65歳以上(65歳の誕生日の前日から可) | 接種当日に満65歳以上 |
同じ「65歳以上の定期接種」なのに、終了日が1か月違い、自己負担額は1,000円違いました。しかも前橋市には、昭和36年12月20日〜31日生まれの人だけ2027年1月15日まで延ばすという細かい扱いもあります。ここまでの条件は、自治体のページを開かないと絶対に出てきません。
つまり「インフルエンザの予防接種は10月1日から2,500円」という覚え方は、住む場所が変わった瞬間に崩れます。引っ越した年はとくに注意が必要です。
【本題】定期接種になるのは誰?対象は2つだけ
厚生労働省は、季節性インフルエンザの定期接種の対象者を次のように示しています(出典:厚生労働省「インフルエンザワクチン(季節性)」)。
- 65歳以上の人
- 60〜64歳で、心臓・腎臓・呼吸器の機能に障害があり身の回りの生活が極度に制限される人、またはヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫の機能に障害があり日常生活がほとんど不可能な人(いずれもおおむね身体障害者手帳1級相当)
この2つに当てはまらない場合は、定期接種ではなく「任意接種」という扱いになります。名前は似ていますが、公費が入るかどうかという点でまったく別ものです。
65歳未満はどうなる?任意接種の費用と回数
任意接種には公費の助成が入らないため、金額は医療機関がそれぞれ決めます。3,000円台から4,000円台で案内している医療機関が目立ちますが、統一された価格は存在しません。同じ市内でもクリニックによって違うので、金額だけで選ぶなら事前に確認が要ります。
接種回数について、厚生労働省は成人は年1回、13歳未満は2回としています(出典:厚生労働省)。子どもが2回になる場合は1回目と2回目のあいだに間隔が必要なので、逆算するとスタートは早めになります。
なお、市区町村によっては子どもや妊婦向けに独自の助成を出しているところがあります。「定期接種の対象じゃないから関係ない」と決めつけず、住んでいる自治体のページを一度見ておくと差が出ます。
2026/27シーズンのワクチンには何が入っている?製造株はこの3つ
東京都健康安全研究センターがまとめた2026〜2027年シーズンのインフルエンザHAワクチン製造株は、次の3つです(出典:東京都感染症情報センター「2026〜2027年シーズンインフルエンザHAワクチン製造株」)。
- A/スイス/6849/2025(IVR-278)(H1N1)
- A/ミシガン/105/2025(SAN-049A)(H3N2)
- B/東京/EIS13-175/2025(ビクトリア系統)
A型が2つ、B型が1つの、いわゆる3価です。製造株は毎年見直されます。だから「去年打ったから今年は同じもの」という話にはなりません。今シーズンはB型にビクトリア系統の「B/東京」が入っているのが目を引くところです。
注射が苦手な子には「経鼻」という選択肢もある
鼻にスプレーするタイプの生ワクチン(フルミスト)が、国内でも使えるようになっています。対象は2歳以上19歳未満で、針を刺さずに済むのが最大の違いです。
ただし定期接種ではなく任意接種なので全額自己負担で、費用は注射タイプより高めに案内されることが多いです。さらに、体質や持病によっては受けられない場合があり、受けられるかどうかは診察した医師の判断になります。取り扱っている医療機関も限られるので、「置いているか」から確認するのが早道です。
【同時接種】ほかのワクチンと日にちを空ける必要はある?
秋はインフルエンザ以外にも、子どもの定期接種や大人のワクチンの予定が重なりやすい時期です。「前のワクチンから1週間空けないといけない」と覚えている人もいますが、そのルールは2020年10月1日に変わっています。
厚生労働省によると、異なる種類のワクチンを接種する間隔の決まりは、「注射生ワクチン」のあとに「注射生ワクチン」を打つ場合だけ27日以上空けることになり、それ以外の組み合わせでは一律の日数制限がなくなりました(厚生労働省「ワクチンの接種間隔の規定変更に関するお知らせ」)。インフルエンザワクチンは注射の不活化ワクチンなので、この27日ルールの対象ではありません。
| 前に打ったワクチン → 次のワクチン | 間隔の決まり(2020年10月1日以降) |
|---|---|
| 注射生ワクチン → 注射生ワクチン | 27日以上空ける(従来どおり) |
| 上記以外の組み合わせ(インフルエンザワクチンを含む) | 一律の日数制限なし |
| 同じワクチンを複数回打つ場合 | ワクチンごとに決められた間隔を守る |
ただし「制限がない=いつでも打ってよい」ではありません。厚生労働省も、発熱や接種部位の腫れがないこと、体調がよいことを確認し、かかりつけ医に相談したうえで接種するよう案内しています。子どもが2回接種になる場合の「1回目と2回目の間隔」は、上の表の3行目、同じワクチンを複数回打つケースにあたるので、医療機関の指示に従ってください。
【目安】接種後の腫れや発熱は、どのくらいの人に出る?
打つ前にいちばん気になるのが副反応です。厚生労働省のインフルエンザワクチンのページでは、よく見られる反応の頻度を次のように示しています(厚生労働省「インフルエンザワクチン(季節性)」)。
- 接種した場所の赤み・腫れ・痛み:接種した人の10〜20%。通常2〜3日で消える
- 発熱・頭痛・寒気・だるさ:接種した人の5〜10%。通常2〜3日で消える
- ショックやアナフィラキシー様症状:まれに起こることがある
腕が腫れたり少しだるくなったりするのは、10人に1〜2人程度は起こりうる範囲ということです。翌日に大事な予定がある日は避け、接種当日と翌日は予定を詰め込みすぎないほうが安心です。息苦しさやじんましんなど、いつもと違う症状が出た場合は、接種した医療機関に連絡してください。
また、同じページではワクチンを打っても「絶対にかからない」わけではないことにも触れています。流行するウイルスは毎年変わるため、去年打った人も今年の接種が勧められています。今シーズンのワクチンの中身は、この記事の上のほうにある「製造株」の節を見てください。
【要注意】9月のうちにやっておく3つのこと
- 住んでいる市区町村の「高齢者インフルエンザ予防接種」のページを開き、実施期間と自己負担額をメモする
- かかりつけ医が予約を受け付ける日を確認する。自治体の開始日より前に、予約受付だけ始める医療機関がある
- 子どもが2回接種になる家庭は、2回目までの日程を先にカレンダーへ置く
この3つは、どれも9月のうちに5分で終わります。10月に入ると電話がつながりにくくなるので、面倒でも先に片づけておいたほうが結果的に楽です。秋の花粉症や秋の抜け毛と同じで、秋は「先に手を打った人が得をする」季節だと思っています。
家計の面でも、この秋は動きが多い時期です。9月の値上げは4,531品目で年内最多になっているので、予防接種のような固定費に近い出費は、金額が分かった時点で先に見込んでおくほうが安全です。
よくある質問
Q1. インフルエンザの予防接種は2026年はいつから受けられますか?
高齢者の定期接種は2026年10月1日を開始日にしている自治体が多く、八王子市・前橋市はいずれも10月1日開始です。ただし全国共通の日付ではないため、住んでいる市区町村のページで確認してください。任意接種の開始日は医療機関ごとに決まります。
Q2. 65歳以上の自己負担額はいくらですか?
自治体ごとに違います。八王子市は2,500円、前橋市は1,500円で、同じ年度でも1,000円の差があります。生活保護受給者などは無料になる制度がありますが、証明書の提出時期など条件は自治体が定めています。
Q3. 定期接種の期間を過ぎたら受けられませんか?
接種そのものは受けられますが、自治体の助成が使えなくなり全額自己負担になります。八王子市は2027年1月31日まで、前橋市は2026年12月31日まで(一部の生まれ月は2027年1月15日まで)と終わりの日が違うので、年内に一度カレンダーを確認しておくのが安全です。
Q4. インフルエンザワクチンと他のワクチンは、日にちを空けないといけませんか?
2020年10月1日から、注射生ワクチン同士を打つ場合(27日以上)を除き、異なるワクチンの接種間隔に一律の日数制限はなくなりました。インフルエンザワクチンは不活化ワクチンなので27日ルールの対象外です。ただし体調や接種部位の腫れがないことを確認し、かかりつけ医に相談したうえで接種してください。
Q5. インフルエンザの予防接種で腫れや発熱が出るのはどのくらいですか?
厚生労働省によると、接種した場所の赤み・腫れ・痛みは接種した人の10〜20%、発熱・頭痛・寒気・だるさは5〜10%にみられ、いずれも通常2〜3日で消えます。まれにショックやアナフィラキシー様症状が起こることがあるため、いつもと違う症状が出たら接種した医療機関に連絡してください。
まとめ
- 定期接種の開始日は10月1日が多数派だが、全国共通ではない
- 終了日と自己負担額は自治体ごとに違う。八王子市は1月31日まで2,500円、前橋市は12月31日まで1,500円
- 定期接種の対象は65歳以上と、60〜64歳で重い障害がある人。それ以外は任意接種で全額自己負担
- 13歳未満は2回接種になるため、逆算して早めに動く
- 2026/27シーズンの製造株はA型2つ・B型1つ。株は毎年見直される
- まず自分の市区町村のページを開く。話はそこからはじまる
この記事で挙げた金額や期間は、あくまで八王子市と前橋市の例です。接種を受けられるかどうか、いつ受けるかの判断は、診察した医師と相談して決めてください。この記事は日程と費用の仕組みを整理したもので、医学的な助言ではありません。

分かった。じゃあ今夜ブックマークしとくよ。母さんにも送っとく。

それがいちばん効くと思う。お母さんの市と私たちの市、条件が違うかもしれないしね。
参考にした資料
- 厚生労働省「インフルエンザワクチン(季節性)」
- 東京都感染症情報センター「2026〜2027年シーズンインフルエンザHAワクチン製造株」(東京都健康安全研究センター)
- 八王子市「令和8年度(2026年度)高齢者インフルエンザ予防接種について」
- 前橋市「65歳以上のインフルエンザ定期予防接種(令和8年度)」
- 厚生労働省「ワクチンの接種間隔の規定変更に関するお知らせ」