そろそろ今年のふるさと納税を…と考えている人に、先に知っておいてほしいことがあります。2026年10月1日から、返礼品のルールが変わります。総務省が2025年6月24日付けで告示の改正とQ&Aを発出しており、この改正は「令和8年10月から開始する指定対象期間に係る指定」から適用されます(総務省「ふるさと納税の指定基準の見直し等」(令和7年6月24日))。
ふるさと納税の「指定対象期間」は、10月1日から翌年9月30日までの1年間です。つまり9月30日が、今のルールで選べる最後の日ということになります。この記事では、総務省が出した資料そのものを見ながら、何がどう変わるのか、9月のうちに何を確認しておけばいいのかを整理します。

ふるさと納税って10月から変わるって聞いたんだけど、なんかヤバいの?

ヤバいというか、返礼品の選び方が変わるって感じね。総務省が告示を改正してて、10月1日から新しい基準になるのよ。

告示って、あの役所のやつだよね。それでうちの晩ごはんに何か関係あるの?

大アリよ。今サイトに載ってる返礼品のなかに、10月以降は出せなくなるものが混ざってる可能性があるの。だから9月中に見ておく価値があるってこと。
先に結論から伝えるよ!
- 2026年10月1日から、返礼品の「地場産品基準」が明確化される(総務省告示第179号の改正)
- 区域内で作って価値の過半が生まれた返礼品は、製造した事業者の証明と、自治体による証明内容の公表が必要になる
- ご当地キャラグッズなどは、自治体が実際に配布・販売した実績がないと返礼品にできない
- 2026年8月20日の通知で、「コスパ」「家計応援」といったお得さを強調する表記は取り止めるよう求められた
- 今のルールで選べるのは9月30日まで。ただし駆け込みが正解とは限らない(後述)
【前提】そもそも10月1日に何が変わるの?
総務省の報道資料(令和7年6月24日)には、主な改正内容として「募集費用の透明化」と「地場産品基準の明確化」の2つが挙げられています。そして「本改正は、令和8年10月から開始する指定対象期間に係る指定から適用となります」と明記されています。
ここで大事なのが「指定対象期間」という言葉です。ふるさと納税は、自治体が総務大臣から指定を受けてはじめて税額控除の対象になる仕組みで、その指定は1年ごとに更新されます。改正後の告示第六条第五号には「指定対象期間の初日の属する年の前年の十月一日からその翌年の九月三十日までの間」という書き方が出てきます。つまり期間の区切りは10月1日。だから9月30日が節目になるわけです。
制度そのものが無くなるわけでも、10月から寄附できなくなるわけでもありません。変わるのは自治体が何を返礼品として出せるかのルールです。10月以降の変更点は他にもあるので、あわせて【2026年10月】変わること7つ|最低賃金・106万円の壁・値上げも見ておくと全体像がつかめます。

指定を受けるって、自治体が国に申請してるってこと?

そう。基準を満たしてないと指定してもらえなくて、指定が無いと寄附しても控除が受けられないの。だから自治体は必死に基準を守るのよ。

じゃあ基準が厳しくなると、自治体が「これはもう出せない」って引っ込めるわけか。

そういうこと。しかも判断するのは10月1日の直前だから、9月末にバタバタ掲載が止まる可能性があるのよね。
【本題1】返礼品は「証明」と「公表」がないと出せなくなる
改正後の告示第六条第三号は、その自治体の区域内で製造・加工などを行って返礼品の価値の過半が生じているものについて、次の2つを求めています(平成31年総務省告示第179号(令和8年10月1日適用))。
- 区域内での製造等によって価値の過半が生じている旨の証明が、その返礼品を製造等する者によってなされていること
- その返礼品を提供する旨を表示して寄附の募集を開始する日までに、自治体によって証明の内容が公表されること
これまでも「価値の過半が区域内で生じていること」という考え方はありましたが、誰が証明するのか、いつまでに公表するのかがはっきり書かれた形です。事業者が証明を出せない、あるいは自治体が公表を間に合わせられない返礼品は、10月以降は掲載できません。
なお、その工程が食肉の熟成または玄米の精白である場合は、その自治体が属する都道府県内で生産されたものを原材料とするものに限る、という条件も付いています。牛肉やお米は返礼品の定番なので、ここは影響が出やすいところです。お米まわりは新米の記事もあわせてどうぞ。
もうひとつ、第六条第六号には「返礼品等と当該返礼品等に附帯するものとを合わせて提供する場合、返礼品等の価値が全体の七割以上であること」という基準があります。おまけを付けて見栄えを良くする、といったやり方には上限があるということです。
【本題2】ご当地グッズは「配った実績」がないと出せない
告示第六条第五号は、自治体の広報目的で作られたキャラクターグッズやオリジナルグッズについての基準です。改正後は、次のすべてに当てはまる必要があります。
- 形状や名称などから、その自治体独自の返礼品であることが明白なもの
- 指定対象期間の初日の属する年の前年10月1日から翌年9月30日までの間に、自治体が広報の目的で自ら調達し、配布または販売した実績があるもの(返礼品としての提供は除く)
- 指定対象期間中も、自治体が広報目的で自ら調達し、配布または販売を行う計画を定めているもの
- 返礼品として提供する数量が、実際に配布・販売した数量を超えないもの
要するに「返礼品にするためだけに作ったグッズ」は通らない、ということです。しかも数量に上限がかかるので、人気が出ても増やせません。区域外で製造されたご当地グッズは、ここが分かれ目になります。

実績があるものだけって、けっこう厳しくない?

厳しいと思う。でも趣旨としては筋が通ってるのよ。ふるさと納税って「応援したい町に寄附する」制度で、通販のカタログじゃないから。

まあ、確かに返礼品目当てになってた感はあるよね。

そうなの。だから国としては「地元と関係あるものだけにしてね」って線を引き直してる。私たちにとっては選択肢が減るけど、理由は分かるわ。
【重要】8月に出た通知で、サイトの表記が変わる
ここが今いちばん動いている部分です。総務省は2026年8月20日、各都道府県あてに通知を出しました(総務省「ふるさと納税制度における募集適正基準の遵守の徹底について」(令和8年8月20日総税市第96号))。
この通知は、一部のポータルサイトで「コスパ」「特別寄附額」「特別規格」「家計応援」「物価高応援」といった、通常よりも必要寄附金額が割安であると寄附者に認識させる表現が使われている事例を挙げ、これらは募集適正基準に違反するおそれが高いとしています。将来的な必要寄附金額の引上げを予告して募集を行うことも同様だと明記されています。
しかも通知は、判断は特定の文言を使っているかどうかではなく「表現全体を総合的に勘案して判断する」とし、外部事業者がポータルサイト上でそうした表現を行った場合でも指定取消の対象となるのは自治体だと釘を刺しています。そのうえで、該当する表現は速やかに掲載を取り止めるよう求め、今後の調査も検討するとしています。
つまり、9月のあいだにサイトの見た目が変わっていく可能性が高いということ。「もうすぐ値上がり!」といった煽り文句を見かけなくなるはずです。
【前提】もうひとつの柱、募集費用の透明化
改正のもう一方の柱が「募集費用の透明化」です。告示第三条第二号では、指定対象期間の初日が属する年度の前年度に、寄附の募集に要する費用として一の者に支払った額が100万円以上だった場合、指定対象期間の初日の前日までに、支払先の氏名・名称、住所、支払額、支払目的を記載した一覧表を作成して公表することが求められます。
寄附したお金がどこへ流れているのかが見えるようになる、ということです。私たちが直接得をする話ではありませんが、自治体を選ぶときの材料は増えます。
【比較】9月30日までと10月1日からで、何が違う?
| 項目 | 〜2026年9月30日 | 2026年10月1日〜 |
|---|---|---|
| 区域内製造の返礼品 | 価値の過半が区域内で生じていればよい | 製造者の証明+自治体による証明内容の公表が必要 |
| ご当地オリジナルグッズ | 独自性があれば提供しやすい | 前年10月〜9月の配布・販売実績と計画が必要、数量にも上限 |
| おまけ付きの返礼品 | 組み合わせの自由度が高い | 返礼品の価値が全体の7割以上であること |
| ポータルの表記 | 「コスパ」「家計応援」などが並ぶ | お得さを強調する表現は取り止め要請の対象 |
| 募集費用の公表 | 一覧表の公表義務なし | 1者へ100万円以上の支払いは支払先・金額・目的を公表 |
※この表は総務省告示第179号(令和8年10月1日適用)および令和8年8月20日総税市第96号をもとに、家庭目線で要約したものです。個々の返礼品が実際にどうなるかは、自治体とポータルの判断によります。

で、結局9月中に駆け込んだほうがいいの?

ほしい返礼品がもう決まってるなら、9月中でいいと思う。でも「とりあえず慌てて」はおすすめしないわ。

なんで?お得なうちにやっとけばいいじゃん。

控除の上限を超えたら、超えた分はただの寄附になっちゃうからよ。それに9月30日は混むし、決済でつまずいても直す時間がないの。
【実践】9月のうちにやっておくこと
- ほしい返礼品をお気に入りに入れて、受付期限を確認する。ポータルが「9月30日まで」と案内していても、自治体や返礼品ごとに早く締め切ることがあります
- 今年の控除上限額を計算し直す。年内に転職や休職、扶養の変更があった人はズレます
- ワンストップ特例を使うなら、寄附先は5自治体まで。6自治体以上になるなら確定申告が必要です
- 寄附は年内(12月31日まで)が今年分。10月以降でも今年分の控除は受けられます
- 9月30日ぴったりを狙わない。アクセス集中と在庫切れ、決済エラーのリカバリー時間がありません
お金の予定という意味では、年末調整も同じ時期に動き始めます。控除の話をまとめて片づけたい人は2026年の年末調整の記事を、家計の見通しを立てたい人は9月の値上げの記事もあわせてどうぞ。
よくある質問
9月30日までに寄附しないと損ですか?
損とは限りません。10月以降も控除の仕組みは変わらず、寄附額に対する自己負担2,000円というルールもそのままです。変わるのは自治体が出せる返礼品の範囲です。ほしいものが決まっているなら9月中、決まっていないなら焦る必要はありません。
10月1日からふるさと納税はできなくなるの?
できます。制度が終わるわけではありません。総務省の改正は、自治体が指定を受けるための基準を見直すもので、寄附そのものや税額控除の仕組みには手を入れていません。今年分の控除対象になる寄附は12月31日までです。
今サイトに載っている返礼品は10月に全部消えますか?
全部ではありません。区域内で生産されたもの、区域内で原材料の主要な部分が生産されたものは、これまでどおり基準に該当します。影響を受けやすいのは、区域外で製造されたご当地グッズや、証明と公表が間に合わない加工品です。実際にどうなるかは自治体ごとの判断になります。
まとめ
2026年10月1日から、ふるさと納税の返礼品ルールが変わります。ポイントは「証明と公表」「配布実績」「表記の適正化」の3つ。制度が終わるわけではなく、返礼品として出せるものの線引きが引き直される、という話です。
9月30日が今のルールでの最後の日ですが、慌てて上限を超えて寄附するくらいなら、10月以降に落ち着いて選んだほうが得です。ほしいものが決まっている人だけ、9月中に受付期限を確認する。それで十分だと思います。

なんか思ってたより冷静な結論だったな。

煽られてるときこそ、元の資料を読むのがいちばん早いのよ。総務省のページに全部載ってるもの。

じゃあ今年は、いつも通り年末にやればいいか。

うん。ただ、あなたが好きなあの町のグッズだけは9月中に見ておきましょ。あれ、区域外で作ってるやつだった気がするの。
参考リンク
- 総務省 報道資料「ふるさと納税の指定基準の見直し等」(令和7年6月24日)
- 平成31年総務省告示第179号(令和8年10月1日適用)
- 総務省「ふるさと納税制度における募集適正基準の遵守の徹底について」(令和8年8月20日総税市第96号)
- 総務省 ふるさと納税ポータルサイト 関連資料
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以上ほのかでした!