2026年秋、モバイルSuicaに「teppay(テッペイ)」というコード決済の機能が追加されます。名前だけ見ると決済アプリがまた一つ増えたように思えますが、実際はモバイルSuicaのアプリの中に機能が増えるだけで、新しいアプリを入れる必要はありません。
【2026年10月10日追記】JR東日本は2026年10月6日、teppayの提供開始日を2026年10月20日(火)11時以降、順次と発表しました(JR東日本プレスリリース(PDF)/同社のPR TIMES発表)。あわせて、マイナンバーカードで本人確認をすると最大30万円まで支払えることや、ポイント還元率、開始記念キャンペーンも明らかになりました。この記事は発表内容にあわせて書き直しています。
この記事は、2025年11月25日にJR東日本・株式会社パスモ・PASMO協議会・東京都交通局が連名で出した発表資料と、teppay公式サイトの記載をもとにまとめています。何ができるようになるのか、いつから使えるのか、どこに落とし穴があるのかを順番に整理していきます。

テッペイって何? Suicaのアプリに変な名前のボタンが増えるって聞いたんだけど。

teppayっていうコード決済の機能よ。モバイルSuicaのアプリの中に入るの。新しいアプリを入れたり、登録し直したりする必要はないわ。
【結論】先に答えだけ
- teppayは、モバイルSuica・モバイルPASMOのアプリの中に追加されるコード決済の機能。新しいアプリのダウンロードや登録は不要
- モバイルSuicaは2026年秋、モバイルPASMOは2027年春に提供開始。モバイルSuicaは2026年10月20日(火)11時以降、順次使えるようになると10月6日に発表された
- 一番の変化は、交通系IC残高の上限額(2万円)を超える買い物ができるようになること
- teppay残高は、利用者同士で「送る・受け取る」ができる。ただし交通系IC残高そのものは送れない
- teppay残高は銀行口座やATMへの出金ができない。交通系ICへのチャージや定期券の購入には使える
- teppayが使えるお店と、SuicaやPASMOの電子マネーが使えるお店は同じではない。発表資料に「異なります」と明記されている
【前提】teppayはアプリではなく「モバイルSuicaの中の機能」
まず誤解しやすいところから。teppayは単独のアプリではありません。2025年11月25日の発表資料には、モバイルSuica・モバイルPASMOのアプリさえあれば「新たにアプリのダウンロードや登録をすることなく」teppayの機能が使えるようになる、と書かれています。
アプリのトップ画面がリニューアルされ、そこに追加されるteppayボタンを押すと画面が切り替わる、という作りです。今モバイルSuicaを使っている人にとっては、アプリが1つ増えるのではなく、今あるアプリの中に部屋が1つ増えるイメージに近いですね。
背景として、JR東日本が実施した「キャッシュレス決済に関する調査」で、多くの人がキャッシュレスの多様化・複雑化にストレスを感じていて、馴染みのあるサービスにまとめたいというニーズがあることが分かった、と説明されています。決済手段が増えすぎて疲れている人に向けた設計、というわけです。
【本題】2万円の壁がなくなるのが最大の変化
SuicaやPASMOの交通系IC残高には、2万円という上限があります。日常の買い物では困らない金額ですが、家電や家具のようにちょっとまとまった支払いになると、そこで引っかかります。
teppayのコード決済は、この交通系IC残高の上限額(2万円)を超えるお買い物が可能だと発表資料に明記されています。さらに、teppayにビューカードを連携しておけば、事前にチャージしなくても支払いができます。決済時には買い物に使えるteppayポイントも付与されるとのことです。
上限金額は、2026年10月6日の発表でようやく数字が出ました。マイナンバーカードで本人確認をすれば、teppay残高で最大30万円まで支払えます。ビューカードを連携した支払いなら、カードの利用限度額までが上限です。ホテル、百貨店、家電量販店のような大きな買い物も想定されています。
【比較】teppay残高と交通系IC残高は何が違う?
同じアプリの中に入るので混ざりやすいのですが、teppay残高と、今までのSuica・PASMOの交通系IC残高はまったく別の財布です。発表資料の記載を表にまとめました。
| 比べるところ | teppay残高 | 交通系IC残高(Suica・PASMO) |
|---|---|---|
| 上限 | 本人確認ありで最大30万円(ビューカード連携ならカードの限度額まで) | 2万円 |
| 支払い方法 | コード決済・オンライン決済 | タッチ(かざす) |
| 電車・バス | 使えない | 使える |
| チャージ元 | 銀行口座・ATM(現金)・ビューカードなど | クレジットカード・現金・teppay残高など |
| 送る・受け取る | できる | できない |
| 銀行口座への出金 | できない | できない |
大事なのは電車とバスの行です。改札で使うのは今までどおり交通系IC残高で、teppay残高では改札を通れません。teppay残高から交通系ICへチャージして使う、という流れになります。
【重要】家族や友だちに残高を「送る・受け取る」ができる
teppayでもう一つ大きいのが送金機能です。teppayの利用者同士なら、モバイルSuicaとモバイルPASMOという別のアプリをまたいで残高を送ったり受け取ったりできます。ただし交通系IC残高を送ることはできません。あくまでteppay残高のやり取りです。
また、teppay残高からモバイルSuica・モバイルPASMOの交通系IC残高へチャージしたり、定期券を購入したりもできます。子どもの通学定期の支払いを親から送る、といった使い方が想像しやすいですね。
インターネットでの買い物用には、アプリ内で「teppay JCBプリカ」を発行できます。タクシーや飲食店のモバイルオーダーにも対応するとされています。さらに、特定の地域だけで使える「地域限定バリュー(通称バリチケ)」という残高も用意され、自治体のプレミアム商品券やキャッシュレス還元事業に活用できる想定だそうです。
【注意】使えるお店は今のSuicaと同じではない
ここが一番の落とし穴です。teppayが使えるのは、teppayマークのあるお店と、JCBが提供する統一コード決済スキーム「Smart Code」のマークがあるお店。Smart Codeは全国160万か所以上(10月6日の発表では170万か所以上に増加)で使えるとされています(2025年10月末時点の数字として発表資料に記載)。
数だけ見れば十分に思えますが、発表資料には「Suica・PASMO等の交通系電子マネーが使えるお店と、teppayが使えるお店は異なります」という注記がはっきり付いています。いつものコンビニでSuicaが使えるからといって、そこでteppayも使えるとは限らない、ということです。レジ前でマークを確認する習慣は当面必要になりそうですね。
JR東日本グループの駅ビルなどの商業施設でも使えるようになります。一方で、Suicaなど交通系電子マネーの加盟店は約235万店舗(2026年8月末時点)あり、こちらは今までどおりタッチで使えます。サービス開始直後は、いつもの店でteppayが使えるかどうかをレジで確認するのが確実です。
【日程】モバイルSuicaは2026年秋、モバイルPASMOは2027年春
提供開始の時期は次のとおりです。2025年11月25日の発表で時期が示され、2026年10月6日の発表で開始日が確定しました。
- モバイルSuica:2026年10月20日(火)11時以降、順次提供開始
- モバイルPASMO:2027年春に提供開始予定
- 加盟店の募集:2026年夏頃から開始予定
- 具体的な提供開始日:2026年10月20日(火)11時以降、順次(2026年10月6日発表)
JR東日本は、グループ経営ビジョン「勇翔2034」にもとづき、今後10年かけてSuicaの機能を順次アップデートする「Suica Renaissance」という取り組みを進めています。teppayはその一環という位置づけです。Suicaを「移動のデバイス」から「生活のデバイス」に変える、というのが公式の言い方です。
正確な内容は一次情報で確認してください。発表資料の全文は東京都交通局の2025年11月25日付お知らせで読めます。
【新発表】上限30万円・ポイント還元・開始記念キャンペーン
10月6日の発表で、それまで分からなかった細かい条件が出そろいました。主なものを表にまとめます(出典:JR東日本 2026年10月6日発表)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供開始 | 2026年10月20日(火)11時以降、順次 |
| 支払える上限 | マイナンバーカードで本人確認をすると最大30万円。ビューカード連携ならカードの利用限度額まで |
| チャージ元 | ビューカード、銀行口座(JRE BANKなど)、セブン銀行・ローソン銀行ATMの現金など |
| ポイント | teppay残高払いで0.5%分のteppayポイント、ビューカード連携払いで1%分のJRE POINT |
| できること | モバイルSuicaへのチャージ、えきねっとのきっぷ購入、モバイルSuica定期券・グリーン券の購入 |
| ネットの買い物 | アプリ内で「teppay JCBプリカ」を発行し、国内のJCB加盟店で使える |
開始記念のキャンペーンもいくつか予定されています。代表的なのは、2026年11月4日〜12月25日の「みんなでteppay!20%ポイント還元」です。エントリーしたうえで500円(税込)以上のコード決済をすると、20%分の期間限定teppayポイントがもらえます。上限は1人5,000ポイントで、上限に達した場合は早期終了の可能性があるとされています。
ほかにも、通学定期券をteppay残高で買うと2,000ポイントがもらえるキャンペーン(2026年11月4日〜2027年1月29日)などが発表されています。どれもエントリーや細かい条件があるので、参加する前にteppay公式サイトで確認してください。
よくある質問
Q1. teppayを使うのに新しいアプリのダウンロードは必要ですか?
必要ありません。2025年11月25日の発表資料には、モバイルSuica・モバイルPASMOのアプリさえあれば「新たにアプリのダウンロードや登録をすることなく」teppayの機能が使える、と書かれています。アプリのトップ画面に追加されるteppayボタンから切り替えて使う形です。
Q2. teppayの決済上限はいくらですか?
2026年10月6日の発表で、マイナンバーカードによる本人確認をすると、teppay残高で最大30万円まで支払えることが明らかになりました。ビューカードを連携して支払う場合は、カードの利用限度額までが上限です。
Q3. teppay残高を銀行口座に戻すことはできますか?
できません。発表資料に「teppay残高の銀行口座・ATM(現金)等への出金はできません」と明記されています。ただし、teppay残高から交通系IC残高へのチャージや、定期券の購入には使えます。チャージしすぎても交通費として消化できる、と考えておくとよさそうです。
まとめ
teppayは、モバイルSuicaの中に増えるコード決済の機能です。新しいアプリは不要で、2026年秋にモバイルSuica、2027年春にモバイルPASMOで始まる予定。一番の変化は、交通系IC残高の2万円という上限を気にせず買い物ができるようになることです。
一方で、teppay残高は改札では使えず、銀行口座にも戻せません。使えるお店もSuicaが使えるお店とは別だと公式に注記されています。「Suicaがそのまま強くなる」というより、「Suicaのアプリの中に別の財布が増える」と考えたほうが実態に近いですね。開始日は2026年10月20日(火)11時以降、順次と決まりました。11月4日からは20%還元のキャンペーンも始まります。
お金まわりでこの秋に動きがあるものは他にもあります。【2026年10月】変わること7つ|最低賃金・106万円の壁・値上げ、ふるさと納税2026年10月改正もあわせてどうぞ。手続き系ではマイナンバーカードの有効期限と更新、おでかけ派には秋の乗り放題パス2026の記事もあります。

えー。じゃあ先にモバイルSuica入れとこうかな。

それが早いと思う。今のうちに入れておけば、10月20日から順番に使えるようになるわ。