2026年10月は、家計と働き方が同時に動く月です。最低賃金の改定が発効し、社会保険の「106万円の壁」が撤廃され、飲食料品は2,720品目が値上がりします。さらに職場側でも、パート・有期雇用のルール改正とカスタマーハラスメント対策の義務化が、同じ10月1日から始まります。この記事では、2026年10月に変わることを7つに絞って、いつから・誰に関係するのかを日付つきで整理しました。

10月からいろいろ変わるって聞いたけど、うちに関係あるやつってどれなの?

けっこうあるのよ。パートで働いてるなら社会保険と最低賃金、買い物するなら値上げ。全部10月にまとめて来るの。

まとめて来られると、頭に入らないんだけど。

だと思ったわ。お金の話が4つ、働き方の話が3つ。まず7つ並べて、それから1つずつ見ていきましょ。
先に結論から伝えるよ!2026年10月に変わること7つ
- 最低賃金の改定が発効:全国加重平均1,176円の目安。発効日は都道府県ごとに違い、10月から順次
- 106万円の壁が撤廃:社会保険の賃金要件(月額8.8万円以上)がなくなる。残るのは週20時間などの要件
- 飲食料品2,720品目が値上げ:ビール類、清涼飲料、しょうゆ・つゆ、冷凍食品、菓子、乳製品など
- 加熱式たばこが一律40円値上げ:10月1日から。プルームのたばこスティック全31銘柄
- パート・有期の労働条件明示事項が追加:待遇差の説明を求められる旨を、雇い入れ時に伝えることが必要に
- 同一労働同一賃金ガイドラインが改正:賞与・退職手当・各種手当・福利厚生の考え方が明確化
- カスハラ対策が事業主の義務に:10月1日から、企業規模を問わず適用
4つ目までが「財布」の話、5つ目からが「職場」の話です。順番に見ていきます。
【お金①】最低賃金が上がる|ただし発効日は都道府県でバラバラ
中央最低賃金審議会が示した令和8年度の引き上げ目安は、全国加重平均で1,176円。上昇額は55円で、前年度の66円より小さくなりました(引き上げ率4.9%、前年度は6.3%)。詳しくは厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金額改定の目安について」で公開されています。
ここで間違えやすいのが、この1,176円は「目安」であって、確定額ではないという点です。実際の金額は各都道府県の地方最低賃金審議会が審議・答申し、都道府県労働局長が決めます。そして発効日も全国一斉ではありません。10月から順次で、県によって日付が違います。
自分の県の金額と発効日は、厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」で確認するのが確実です。金額の内訳は最低賃金2026年度の記事にまとめてあります。

目安ってことは、うちの県はもっと低いかもしれないってこと?

高いことも低いこともあるの。目安は全国を4つのランクに分けて出してるから、最終的な金額は県ごとの審議会次第よ。

じゃあ10月1日に給料が上がるって思ってたらダメなんだ。

そう、そこが一番の落とし穴ね。発効日を見ないで「10月から上がるはず」と思い込むと、明細を見てがっかりすることになるわ。
【お金②】106万円の壁が撤廃|これから見るのは「週20時間」
2025年6月に成立した年金制度改正法で、社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入要件のうち「月額8.8万円以上」という賃金要件が2026年10月に撤廃されます。これがいわゆる「106万円の壁」の撤廃です。制度の内容は厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」に掲載されています。
撤廃されるのは賃金要件だけで、「週の所定労働時間20時間以上」という要件は残ります。企業規模の要件(従業員51人以上)も、2026年10月時点では残ったままです。つまり、これから自分が対象かどうかを見るときは、年収ではなく週の労働時間を数えることになります。
保険料負担が急に増える人への配慮として、標準報酬月額126,000円以下の短時間労働者については、事業主が負担した保険料の一部を国が支援する調整制度が2026年10月から用意されます。要件の詳細は日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」で確認できます。働き方をどう調整するかは106万円の壁が撤廃される記事で詳しく書きました。
【お金③】飲食料品2,720品目が値上げ|何が上がる?
帝国データバンク「食品主要195社」価格改定動向調査(2026年7月31日発表)によると、10月に値上げが予定されている飲食料品は2,720品目。9月の4,531品目からは1,811品目減りますが、単月の水準としてはまだ高いままです。
10月に目立つのは、生ビール・新ジャンル・缶チューハイといった酒類、清涼飲料、しょうゆやつゆなどの調味料、冷凍食品、チルド麺、菓子、乳製品あたりです。9月にどれだけ上がったかは2026年9月の値上げ一覧にまとめてあります。
同じ調査では、2026年の年間累計(1〜11月までの判明分)が1万8,347品目に達する見込みとされています。調査が始まった2022年以降、5年連続で年間1万品目を超えることになります。
【お金④】加熱式たばこが一律40円上がる|10月1日から
加熱式たばこの課税方式の見直しが、2026年は4月と10月の2段階で行われます。その2段階目が10月1日です。
JTは2026年8月5日、財務大臣へ申請していた小売定価改定が申請どおり認可されたと発表しました(JT「加熱式たばこに係る課税方式の見直しに伴うたばこの小売定価改定の認可について」)。対象は「プルーム」ブランドのたばこスティック全31銘柄で、10月1日から一律40円上がります。
- エボ シリーズ:580円 → 620円(20本入り)
- メビウス シリーズ:550円 → 590円(20本入り)
- キャメル シリーズ:530円 → 570円(20本入り)
紙巻きたばこは、この10月の改定の対象ではありません。

たばこって4月にも上がってなかった?

上がってるわ。加熱式は課税方式の見直しを2段階に分けてやってるから、4月と10月の2回なの。

ここまで全部お金が出ていく話じゃない…。

そうね。でもここから先は職場のルールの話。こっちは知っておくと自分を守れる側の変化よ。
【働き方①】パート・有期のルールが変わる|待遇差の説明を求められる
厚生労働省は2026年8月3日のウェブマガジンで、10月から変わるパートタイム・有期雇用のルールを3つのポイントで説明しています(厚生労働省「2026年10月からパートタイム・有期雇用のルールが変わります―3つの改正ポイント」)。
- 労働条件の明示事項が追加:雇い入れ時に、これまでの昇給・退職手当・賞与の有無、相談窓口に加えて、「待遇の相違の内容・理由等について説明を求めることができる旨」を明示する
- 同一労働同一賃金ガイドラインの改正:裁判例を踏まえ、賞与・退職手当・各種手当・福利厚生の考え方が明確化される
- 雇用管理上の措置の変更:待遇差を説明するときに資料を用いる、分かりやすい書面を交付する、職務内容や能力を公正に評価して昇給に反映する
働く側から見ると、「なぜ正社員と待遇が違うのか」を会社に聞ける、と最初に伝えてもらえるようになる、というのが一番大きい変化です。これまでも聞くこと自体はできましたが、知らなければ使えない権利でした。
【働き方②】カスハラ対策が全企業に義務化|10月1日から
2025年6月11日に公布された改正労働施策総合推進法により、2026年10月1日から、カスタマーハラスメント防止のための雇用管理上の措置が事業主の義務になります。防止指針は2026年2月26日に告示されました。
事業主に求められるのは、カスハラに毅然と対応して労働者を守る方針を明確にして周知すること、相談に応じる体制を整えること、そしてあらかじめ定めた「対処の内容」を労働者に周知することなどです。企業規模による猶予はなく、10月1日から一斉に適用されます。
接客や電話対応のある職場で働いているなら、10月以降に「困ったときの対応手順」が職場に掲示されたり配られたりするはずです。出てこない場合は、相談窓口がどこかだけでも確認しておくと安心です。

カスハラって、店員さんが怒鳴られるやつ?

それも入るわね。義務化されるのは、会社が方針を決めて、社員に「こういうときはこう対応していい」と伝えることなの。

じゃあ我慢しなくてよくなるってこと?

我慢するかどうかを個人の判断に任せない、っていうのが今回の趣旨よ。会社が先に線を引いておく、ということね。
【一覧表】2026年10月に変わること早見表
| 変わること | いつから | 主に関係する人 |
|---|---|---|
| 最低賃金の改定 | 10月〜順次(都道府県で違う) | 時給で働く人すべて |
| 106万円の壁の撤廃 | 2026年10月 | 週20時間以上働くパート・アルバイト |
| 飲食料品2,720品目の値上げ | 10月 | 買い物をする人すべて |
| 加熱式たばこ 一律40円値上げ | 10月1日 | プルーム利用者 |
| パート・有期の明示事項追加 | 10月1日 | これから雇われるパート・有期雇用の人 |
| 同一労働同一賃金ガイドライン改正 | 10月1日 | パート・有期雇用の人と会社 |
| カスハラ対策の義務化 | 10月1日 | 働く人すべて(企業規模を問わない) |
日付が「10月1日」で揃っているのは、法改正で施行日が決まっているものです。最低賃金と値上げだけは、日付が県や商品によってバラバラになります。
よくある質問
最低賃金は全国どこでも10月1日から上がりますか?
いいえ、発効日は都道府県ごとに決まります。10月中の別々の日になることが多く、11月にずれる県もあります。厚生労働省の「地域別最低賃金の全国一覧」で、自分の都道府県の金額と発効日を確認してください。
106万円の壁がなくなると、パートは全員が社会保険に入ることになりますか?
全員ではありません。撤廃されるのは賃金要件(月額8.8万円以上)だけで、「週の所定労働時間20時間以上」という要件や、企業規模(従業員51人以上)の要件は2026年10月時点では残ります。週20時間未満で働いている場合は、これまでどおり対象外です。
10月1日から値上がりするたばこはどれですか?
JTが2026年8月5日に発表した認可内容では、「プルーム」ブランドのたばこスティック全31銘柄が一律40円上がります。エボが620円、メビウスが590円、キャメルが570円(いずれも20本入り)です。紙巻きたばこは、この10月の改定の対象ではありません。
まとめ|10月1日に一斉に来るもの、県ごとに来るもの
- 10月1日にきっちり始まるのは、加熱式たばこの値上げ・パート有期の明示事項追加・同一労働同一賃金ガイドライン改正・カスハラ対策の義務化の4つ
- 最低賃金は10月から順次で、金額も発効日も都道府県ごとに違う。目安の1,176円は確定額ではない
- 106万円の壁の撤廃で、これから見るのは年収ではなく「週20時間」
- 飲食料品は2,720品目が値上げ。9月の4,531品目よりは少ない
- 自分に関係するのがどれかは、上の早見表の「主に関係する人」の列で確認できる
体調のほうも、10月は予防接種の予約が動き出す時期です。あわせてインフルエンザ予防接種2026はいつからの記事もどうぞ。

結局、うちで先にやることって何?

2つね。ひとつは自分の県の最低賃金の発効日を見ること。もうひとつは、パートの週の労働時間を数え直すことよ。

数え直して20時間超えてたら、どうするの?

社会保険に入る前提で家計を組み直すか、時間を減らすか。10月に慌てないように、9月のうちに決めておくのが正解ね。

以上ほのかでした!