朝晩に「ちょっと寒いな」と感じる日が出てきました。毎年この時期に迷うのが、暖房をいつからつけるかと設定温度を何度にするかです。
この記事では、資源エネルギー庁の省エネ試算、気象庁の平年値、環境省のウォームビズという3つの一次情報をもとに、つけ始めの目安と、設定温度で電気代がどれくらい変わるのかを整理します。

最近、朝起きると寒いんだよね。もう暖房つけてもいいのかな?

迷うわよね。調べてみたら、国の省エネの試算では「暖房は10月28日から」として計算してるのよ。

え、国がそんな日付を決めてるの?

決まりじゃなくて、あくまで計算の前提ね。でも目安にはなると思うわ。設定温度の話もあるから順番に見ていくわね。
先に結論から伝えるよ!
- 資源エネルギー庁は省エネ試算の暖房期間を10月28日〜4月14日(169日)としている
- 東京の平年値では11月に平均最低気温が8.8℃まで下がる。つけ始めは10月下旬〜11月が一つの目安
- 環境省の目安は暖房時の「室温」20℃。設定温度ではない
- エアコンの設定を21℃→20℃にすると年間約1,650円の節約(国の試算)
- 2026年夏の電気・ガス料金支援は9月使用分で終わっている。冬は使い方の差がそのまま請求額に出る
【前提】国の試算は「10月28日から169日」を暖房期間にしている
資源エネルギー庁の省エネポータルサイトには、家庭の省エネ効果を金額に換算するときの「算出根拠」が載っています。そこでは暖房期間を5.5か月(10月28日〜4月14日)169日、冷房期間を3.6か月(6月2日〜9月21日)112日としています(資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約」算出根拠)。
つまり国の計算上は、10月の終わりから暖房を使う家庭を想定していることになります。もちろん住んでいる地域や家の断熱性能で大きく変わるので、「この日からつけなければいけない」という意味ではありません。
【目安】東京の平年気温で見る「つけ始め」のタイミング
気象庁が公表している東京の平年値(1991〜2020年の平均)を見ると、10月から12月にかけて気温は次のように下がっていきます(気象庁「過去の気象データ検索」東京の平年値)。
| 月 | 平均気温 | 日最高気温 | 日最低気温 |
|---|---|---|---|
| 10月 | 18.0℃ | 22.0℃ | 14.8℃ |
| 11月 | 12.5℃ | 16.7℃ | 8.8℃ |
| 12月 | 7.7℃ | 12.0℃ | 3.8℃ |
10月はまだ日中20℃を超える日が多い一方で、11月に入ると朝晩は10℃を下回るのが普通になります。そのため「日中はつけずに、朝と夜だけ短時間使う」ところから始めて、11月に本格的に使う流れが現実的です。地方や郊外はこれより早く冷え込むので、住んでいる地域の平年値を同じページで確認しておくと安心です。

じゃあ10月はまだ我慢したほうが得なの?

我慢しすぎて体調を崩したら元も子もないわ。寒いと感じたら朝晩だけ短くつける、が一番いいと思う。大事なのは何度に設定するかのほうなのよ。
【根拠】「20℃」はどこから来た数字?
よく聞く「暖房は20℃」の出どころは、環境省が2005年の冬から呼びかけているウォームビズです。環境省は令和3年度の発表で、「暖房時の室温(目安として20℃)の適正管理」を引き続き呼びかけるとしています(環境省「令和3年度ウォームビズについて」2021年10月29日)。
同じ発表では、以前のように全国一律の実施期間は設けず、それぞれの事情に応じた取り組みとして呼びかける方針に変わっています。ここで注意したいのは、20℃はエアコンの設定温度ではなく「室温」の目安だという点です。窓が多い部屋や北向きの部屋では、設定を20℃にしても室温が届かないことがあります。温度計を1つ置いておくと判断しやすくなります。
【試算】1℃下げる・1時間短くするといくら変わる?
資源エネルギー庁は、暖房器具ごとの省エネ効果を金額で示しています(資源エネルギー庁 省エネポータル「空調」)。主なものをまとめると次のとおりです。
| 器具 | やること | 年間の節約額(目安) |
|---|---|---|
| エアコン | 設定温度を21℃→20℃に | 約1,650円 |
| エアコン | 使う時間を1日1時間短く | 約1,260円 |
| エアコン | フィルターを月1〜2回掃除 | 約990円 |
| ガスファンヒーター | 設定温度を21℃→20℃に | 約1,320円 |
| 石油ファンヒーター | 設定温度を21℃→20℃に | 約880円 |
| 電気カーペット(3畳) | 設定を「強」→「中」に | 約5,770円 |
| 電気こたつ | 設定を「強」→「中」に | 約1,520円 |
エアコンの数字は、外気温6℃、2.2kWの機種を1日9時間使った場合の試算です。金額は電気1kWhあたり31円、都市ガス1m³あたり162円、灯油1Lあたり86円で換算されています(算出根拠)。いまの契約単価が違えば金額も変わるので、「どれが効きやすいか」の比較として見るのがおすすめです。

電気カーペットの「強」から「中」で5,770円ってすごくない?

3畳用を1日5時間使う計算ね。床に直接敷かないで断熱マットを下に敷くのも効くって書いてあったわ。エアコンなら、まずフィルター掃除からが手軽だと思う。
【実践】本格的に使う前にやっておく4つ
同じ資源エネルギー庁のページには、暖房時の工夫もまとめられています。つけ始めの前に済ませておくと、同じ設定温度でも暖まり方が変わります。
- フィルター掃除:月に1〜2回が目安。夏の冷房で詰まったままのことが多い
- 室外機のまわりを片付ける:吹出口に物があると暖房の効果が下がる
- 厚手で床まで届くカーテン:窓からの冷気を減らす
- 扇風機・サーキュレーターの併用:天井にたまった暖かい空気を循環させる(換気も忘れずに)
なお、エアコン内部のクリーニングについては、十分な知識がないまま自分で洗浄すると故障の原因になることや、悪質な事業者とのトラブルも報告されていると、資源エネルギー庁が注意を呼びかけています。頼む場合は、料金と作業内容を事前に確認しておきましょう。
【要注意】今年の冬は「補助なし」で始まる
2026年夏の電気・ガス料金支援は9月使用分で終了しています。11月の請求から値引きがなくなる仕組みは、電気・ガス補助金の終了をまとめた記事で詳しく整理しました。2026年10月8日時点で、この冬の新しい支援策について経済産業省の発表は確認できていません。
暖房を使い始める時期と補助がなくなる時期が重なるので、使い方の差がそのまま請求額に出やすい冬になります。10月から続く食品などの値上げも重なっているので、固定費として見直せるところは今のうちに見直しておきたいところです。
よくある質問
暖房は何月からつけるのが普通ですか?
決まった時期はありません。目安として、資源エネルギー庁は省エネ効果の試算で暖房期間を「10月28日〜4月14日の169日」と置いています。東京の平年値では11月の平均最低気温が8.8℃まで下がるため、朝晩だけ暖房を使い始める家庭が増えるのは10月下旬〜11月が一つの目安です。
暖房の設定温度は何度がいいですか?
環境省は2005年からウォームビズとして「暖房時の室温20℃」を目安に呼びかけています。これは設定温度ではなく室温の目安です。エアコンの設定を20℃にしても部屋が20℃になるとは限らないので、温度計で室温を見ながら調整するのが確実です。
エアコンの設定温度を1℃下げると、いくら節約になりますか?
資源エネルギー庁の試算では、外気温6℃のときに2.2kWのエアコンの暖房設定を21℃から20℃にすると(1日9時間使用)、年間で電気53.08kWh、約1,650円の節約になります。電気代は1kWhあたり31円で計算されています。
まとめ
- 国の省エネ試算では、暖房期間は10月28日〜4月14日の169日
- 東京では11月に朝晩10℃を下回るのが平年並み。朝晩だけ短時間から始めるのが現実的
- 目安は室温20℃(環境省)。設定温度とは別物なので温度計で確認
- エアコン21℃→20℃で年間約1,650円、フィルター掃除で約990円(資源エネルギー庁の試算)
- 夏の料金支援は終了済み。使い方の差が請求額に出やすい冬になる
寒さを我慢する必要はありません。つけ始めを少しだけ遅らせるより、設定温度とフィルター掃除を見直したほうが、無理なく電気代を抑えられます。体調がすぐれないときは、節約より暖かさを優先してください。季節の変わり目の不調については秋バテの記事もあわせてどうぞ。

とりあえず今週末はフィルター掃除と温度計の購入だね。

そうね。20℃は室温の目安だから、温度計を見ながら設定を決めればいいのよ。

電気代の請求が来てから慌てるより、先にやっとくほうがいいね。

そういうこと。11月の請求を見たら、もう一度この表と見比べてみるといいと思うわ。
参考にした資料
- 資源エネルギー庁 省エネポータルサイト「無理のない省エネ節約(空調)」
- 資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約」省エネ効果の算出根拠
- 気象庁「過去の気象データ検索」東京の平年値(1991〜2020年)
- 環境省「令和3年度 ウォームビズについて」(2021年10月29日)
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以上ほのかでした!